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今月のコラム(2024年10月)

 10月になりました。やっと虫の音と風が秋の様子を運んでくれる気温になりましたね。
今月は神無月と呼ばれますが、神々が集う出雲では神在月と呼ばれています。
 秋と言えば“秋の七草”。 萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、尾花、撫子。万葉集にこの七草で山上憶良が詠んだ歌が二首あります。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 朝貌の花」

春の七草は滋養溢れ食用になりますが、こちらは愛でる花たち。食用とされるのは葛でしょうか。歌にもあるように、秋の野原で花を見つけて数えていたら七種もあったねというなんとも可憐な様子ですね。
女郎花ですが、男郎花という白い花もあるのはご存知でしょうか。名前の由来は様々ですが、女(おみな)を圧(へし)させるほどの美しい花ということで、おみなえしと呼ばれたという説もあります。
 先月、寒露が過ぎる頃に銀杏が綺麗になるというお話をしました。

「金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に」

夕日が照らされるその岡に、ちいさき鳥はどこからきてどこへいくのか。
はたまたそれは鳥なのだろうか。 
はらはらと落ちていく銀杏の葉が目に浮かぶようです。

まだまだ夜が長い秋。過ごしやすくもなり、月も星空も愛でやすくなりました。当家からの帰り道、ふと空を見上げてはいかがでしょうか。
秋の夜もご来店をお待ち申し上げております。

当家主

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